第8殴

田村「よお、また会ったな、弱小チーム」

橋田「おお。天下の魔王の最下層、田村じゃねーか」

田村「ふ、いきがるなって。鶏口となるも牛後となるなかれってな」

橋田「逆の意味で覚えちゃってるし」

田村「あ?」

橋田「いいよいいよすくすく育ってくれよ。たっぷり牛乳飲めよ」

田村「あ、牛乳で思い出したんだけどよ〜、石油タンカーってあるじゃん?」

橋田「何つながり?」

田村「あ?」

橋田「いや、どうやったらそんなワープできるんだろうって」

田村「液体じゃん」

橋田「タンカーは違うよ」

田村「だから、そうじゃなくて、石油タンカーとかどうでもいいんだよ。マニアか」

橋田「えー」

ブン!

橋田「な、なんだよ危ねーな!」

ブン!

橋田「おい、てめー!!!」

田中「じゃ、石油タンカーの話をするけどよ、今は未曾有の原油高じゃん?」

橋田「そうなんだ」

田中「ったく、これだから無学は困るんだよ」

橋田「さっさと話せよ。で、タンカーがどうしたんだよ」

田中「俺、石油タンカー専門の当たり屋になろうかなぁ〜って思うんだ」

橋田「え?」

田中「いやもともと家の家系は当たり屋だし」

橋田「先祖代々?」

田中「おお、10代は続いてるね」

橋田「よく続いたね。どう転んでも途切れそうな家系だけど」

田中「吉宗の籠にひかれたときが過去最高額だったらしい」

橋田「切捨てごめんされず良かったな」

田中「で、だ」

橋田「ああ」

田中「続く」



<作者コメント>
ムリ。一話書いて帰るのムリ。腹減るし。3日で一話くらいのペースでいく。面白いこと後で足す、というかこのままじゃどうにもならないじゃないか。誰も読んでないだろうけど。

第7殴

第7殴「祝賀会への招待」



宮越「おい今夜はてめーがブルドッグズに入った祝賀会をするぜ」


冨樫「ええ、でも自由時間とかありませんよね。就寝時間は教官の膝枕で寝なきゃいけないし」


宮越「ふ、お前は何も知らないんだな。この特少は文字通り特別なんだよ。」


冨樫「特別?」


宮越「嗚呼、ここの院長は俺たちを更正しようなんてこれっぽっちも考えてないのさ。あいつは一言で言えば狂人なのさ。そしてあの膝枕の教官はもっとクレージーだ」


冨樫「じゃぁ」


宮越「そう、ここでサバイブするにはこの拳ひとつに頼らざるをえない・・・って帰るな!」


冨樫「いや、なんかどうにもこうにも面倒くさそうな話だったんで。少なくとも30秒で終わりそうもなかったですし」


宮越「きっとお前みたいなやつが学級崩壊を引き起こしたんだろうな」


冨樫「また面倒くさそうな話のニオイがぷんぷん漂ってますね」


開脚前屈をする冨樫


すげー柔らかいなーという目でみる宮越


宮越「お前リーダーの話はな、たとえそれが原油価格の動向だったとしても黙って最後まで聞くもんだぞ」


冨樫「あ、それは興味津々です。投資マネーが原油市場に流れ込んでるんですよね」


宮越「あくまでもたとえ話だからな広げなくていいぞ」


冨樫「宮越さん。世の中をたとえてばかりいたら人生の本番がどこにあるか分かんなくなりますよ。入口見失いますよ」


宮越「なに言ってっかよく分からないな。俺、文学とか興味ないし」


冨樫「あ、確かに突き放された気がする」


宮越「なんだって?」


冨樫「あ、いや宮越さんには全然関係ない話です。えーとやっぱり車高が低い車好きですか?」


宮越「俺、鈍感だからさ、自分がバカにされてるのか普通の会話なのか分からねーんだ。でも今回は珍しく分かる気がする」


冨樫「ぬり絵は好きですか?」


宮越「ああ大好きさ」


いきなり手を合わせて祈る冨樫


宮越「お、お前何いきなり祈ってんだよ」


冨樫「気にしないでください。うちは戒律が厳しいんです。2時間ごとなんです」


宮越「でもなんか急に祈られるとやっぱ気になるし。宗派はなんだよ」


冨樫「そんな気にしないでくださいよ。そこまで本格的なもんじゃないですし。ただのエア祈りですから」


宮越「エア祈りってなんだよ」


冨樫「数珠なしですね」


宮越「エアつけなくていいじゃん。数珠なくても祈りはほぼ99パーセント達成できてるじゃん」


冨樫「いや数珠のほうが99パーセントですし、うちの宗派は」


宮越「仏教だよな?」


冨樫「ま、そうですね。正確には『元祖仏教』ですけど」


宮越「元祖はマズイだろ」


冨樫「うちはゴータマ・シッダールタすら認めない立場ですからね。あいつにパクられたという立場です」


宮越「お釈迦様のことあいつ呼ばわりする仏教徒に始めてあったよ」


冨樫「じゃ、とにかく今夜は祝賀会ですね。ケンタッキー食べたいですね」


宮越「ま、期待してるんだな」


冨樫「じゃ」


宮越「20時にBブロックの給水所のとこで待ってるからな」


冨樫「はい。気が変わったら行きます」


宮越「……」


冨樫「冗談ですよ。気が向いたら行きます」


宮越「来ないと殺すけどな」


立ち去る富樫


手を振る宮越。頼もしいメンバーがチームに入ってくれて本当に嬉しいのだ。たとえそれが何考えてるか分からない野郎でも。


続く

<作者コメント>
えーと仕事終わりにオフィスでビール飲みながら書いてます。とりあえず後で編集して何か面白いことつけたしておきます。

第6殴

第6殴「スカウト」


宮越「うりゃぁぁぁ!!」

冨樫「なっ!」

冨樫が振り向くと宮越の右ストレートが眼前に迫る。直撃。


ガッ!!


一瞬意識を失いかける冨樫だったが0.3秒後に強烈な蹴りをお返しする。


ブンッ!!バシッ!!


宮越「お、危ねえ」


腕を盾に防御する。ズシンと体重の乗った良いキックだ。


冨樫「何すんだよ!」


宮越「フッ、合格だ」


冨樫「何だって?」


宮越「合格だよお前」


冨樫「やったーーー!!!!」


宮越「ん?」


冨樫「やったーーーー!!!!合格だ!!!!!」


狂喜乱舞する冨樫。


ブレイクダンス


宮越「おい、なんというかそこまで喜んでもらうと嬉しいんだけど」


冨樫「やったーーーー!!!!合格だ!!!!!」


宮越「こんな説明不要な奴ははじめて見たぜ」


ロボットダンス


宮越「嬉しいときにロボットダンス踊る奴もはじめて見たぜ」


冨樫「あ、はじめまして冨樫です。特別少年院に入れられたときは世の中や学校を恨みました。でもまさか全然予期しなかったところで一橋大学に合格するなんて夢にも思いませんでした。しかも高2なのに」


宮越「そんな国家権力持ってねーよ!どこでそんな誤解したのか見当もつかねーし」


冨樫「え、違うんですか?」


明らかに落胆する冨樫。


マズルカ


宮越「すまんなマズルカ躍らせて。それがどういう意味を持ってるのか知らないが」


冨樫「で、結局なんに合格なんですか」


宮越「ええと一橋大学がどれくらいすごいか良く分からないんだけど、俺はブルドッグズってチームのリーダーをやっている。お前うちに入らないか?お前の反射神経とその強烈なキックがきっと武器になる」


冨樫「いいですよ」


宮越「え、いいの?」


冨樫「ええ」


宮越「よし、俺の右腕となって最大勢力の魔王をぶちのめそうぜ!!魔王のリーダー神崎を倒そうぜ!」


冨樫「ええ」


宮越「いいんだよな?」


冨樫「ええ」


宮越「なんかテンション低いけど、ま、いいか」


冨樫「あ、とりあえずそのブルドーザーズっての入りますけど謝ってください。いきなり殴ったこと」


宮越「あ、ブルドッグズなんだけど」


冨樫「リーダーなのは認めます。でも殴られたのはまだ入る前だったし、それにいきなり人を殴るってのは人間としてどうかと思うし」


宮越「ごめんなさい」



<作者コメント>
この回は革命です。なぜなら最強キックのあの冨樫と特少の実力者宮越ががっちりタッグを組んだんですから。読者の皆さんもまさか夢にも思わなかったでしょう。冨樫ファンと宮越ファンの割合ですが前回(テレパシーで)行ったアンケートでは63パーセントと37パーセントでやや冨樫が優勢でした。

第5殴

第5殴「涙のタルト道」


橋田「くそっ!なんでこんなに美味しいのに売れないんだ!」

教官「やめろ!そのホイップクリームは国民の血税だぞ!」

橋田「僕のタルトはパリでも爆発的に売れるはずなんだ」

教官「傲慢だな。売れないのはまだまだ修行が足りないからだ」

橋田「このタルトのすごさは教官も認めてますよね」

教官「確かに美味いのは認める。ほっぺが奈落の底まで落ちるほどだ。ときどき夢にもでてきてうなされる」

橋田「だったら」

教官「正直お前がそのタルト作りをストップしたら俺は気が狂って刃物片手に渋谷の街を疾走するだろう。そしてこの特少にぶちこまれてお前らの仲間になる」

橋田「47歳の教官は確実に刑務所に行くんじゃないですかね」

教官「だが消費者の舌はお前が思っている以上にシビアなんだよ」

橋田「くそー何が足りないんだ。白金、成城の2箇所のケーキ屋で特別に販売させてもらってるんですよね?」

教官「あそこらへんのマダムの舌はぶくぶく肥え太ってるんだ。だがあいつらの舌を満足させてこそ一流の証になる」

橋田「俺あきらめないでがんばります!」

教官「そうだ飽くなき探究心でタルト道を究めるがいい」

橋田「はい!」

教官「そしてココをでたら立派な弁理士になれ!」

橋田「はっ・・そ、その職業はよく分かりませんけど」

教官「特許事務所で特許についてなんやかんや仕事する人だ。安定収入だぞ」

橋田「できたらタルト道を活かしたいんですけど」

教官「じゃアクロバティックに発想を転換してケーキ屋を目指すがいい」

橋田「最初からそのつもりです!それで親孝行したいです」

教官「よく言ったな。精進しろよ」

橋田「あ、もう22時か。僕だけ特別に消灯ルールを変更してもらってありがとうございます!今夜はもう少しだけ研究してみます!」

教官「おお頑張れ!ところで昨日入所した新人に会ったか?」

橋田「いえ」

教官「そうか。じゃいいや。頑張れよ」

橋田「はい!」



<深夜1時>


橋田「あれ、何か目が霞んできた」

橋田、疲労で崩れ落ちタルトに顔を突っ込む。国民の血税がまたひとつ無駄に費やされた。


                                                                            • -

成城のケーキ屋


マダム「あら、何かしら、隅っこのほうに陳列してるこれ」

店員「いらっしゃいませお客様。ええとこれは色々な事情で特別に置いてるんですが」

マダム「とくべつ、うん?特別少年院タルト???あらやだ」

店員「作り手の更正もかねてましてね、味は実際のところピカイチなんですよ」

マダム「でもちょっとあまりにネーミングがストレートというか、えーとダメ押しで顔写真もついてるのね」

店員「はい。作り手の顔がみえる安心の特少タルトです」

マダム「うーん。あら犯罪歴も書いてる。えーとえーと、バットで教師を10分に渡り殴打し、さらに学校給食のカレー鍋に毛虫を10匹混入した、店員さん!!!」

店員「なんでしょう」

マダム「申しわけないけど今日のところは失礼させていただくわ。下手すると永遠に」

プリプリ去っていくマダム

店員「やれやれいつものパターンか」

                                                                                                  • -


<作者コメント>
特別少年院タルト」という因果な名前のタルトをひたむきに作っている少年を滑稽に描きたかっただけなので、このような不純な小説を書く作者に対しては眉をしかめていただければと思います。

第3殴

第3殴「オヤスミ教官」


教官「おいお前」

謎の男「なんすか」

教官「なんでこんなとこ入ったんだ」

謎の男「ちょっと全校集会で校長に文句言っただけっすよ」

教官「それだけか?他には心あたりないんだな?」

謎の男「ああ、ひょっとすると」

教官「なんだ」

謎の男「校長の孫娘をストーキングしたんすよ」

教官「そっちだな絶対。孫娘は幾つなんだ」

謎の男「3歳です」

教官「ストーキングするにもすぐ追いつくだろう」

謎の男「ええ、だから怪しまれないように長時間正座して足がしびれた人を演じながらストーキングしたんです」

教官「ターボをかけて怪しい方向へいっちゃったな」


教官、煙草に火をつける。

謎の男、あきらかに煙い顔をする。


謎の男「ハーックション!」

教官「面白いやつだな。セキとクシャミをスイッチしやがった」

謎の男「あ、俺の名前は冨樫っていいます」

教官「聞いてないぞ。お前のことは今後は番号で呼ぶつもりだ」

冨樫「いろいろ事情ってものがあるんすよ。あと番号で人を呼ぶのは人権侵害だと思いますけどね」

教官「777(スリーセブン)でもか?」

冨樫「え?」

教官「スリーセブンならどうだ?」

冨樫「その呼び名はカッコイイからいいですよ」

教官「お前、なんか気に入ったから777やるよ」

冨樫「え、いいんすか?そんな権限あるんすか?」

教官「ああ俺はこの特別少年院の影のボスだからな。なんかこの仕事って退屈だからさ、こんなことでもしてないと退屈死しちまうだろ?」

冨樫「退屈死って死因あるんすか?」

教官「あるよ当然だろ」

冨樫「知らなかった。孤独死みたいなもんすかね」

教官「退屈なのは嫌いだ」

冨樫「たしかにそうですね。校長がフランスの国家独唱するのを黙って聞いてるのなんて耐えられないっすよ」

教官「それは退屈じゃなくてエキサイティングじゃないか」

冨樫「どんなものも数をこなせば退屈に変化するんですよ。きっとロシアンルーレットも100回目くらいで退屈になるんじゃないかな」

教官「それはならないだろ。命かかってるし」

冨樫「たとえばの話ですよ」

教官「たとえ話だからこそだ。たとえ話が現実と乖離してたら世界がドロドロに溶けちまうだろ」

冨樫「文学的っすね教官」

教官「その誉め言葉は嫌いだな。突き放された感じがする」

冨樫「俺はもともと人から好かれたくないんすよ」

教官「新垣結衣からもか?」

冨樫「そりゃ例外もありますよ。例外のない人生なんてつまんないじゃないすか」

教官「そろそろ消灯だ」

冨樫「えっと毎晩ですかコレ」

教官「特別少年院のルールだからな。ま、最初の1ヶ月だから我慢しろ」

冨樫「オヤスミなさい教官」

教官「ああオヤスミ777」


消灯


教官がそっと冨樫の額にキスする

教官「いい夢みろよ」

冨樫「……」




<作者コメント>
この回に関しては驚くほど何もありません。これから特別少年院で壮絶なバトルが繰り広げられる予定です。

第4殴

第4殴「少年院の勢力図」

村越「今度入ってきた新人の情報を今すぐ出せ」

堀「あ、はい。えーと、えーと」

村越「……」

堀「名前はええと忘れましたけど、でもたしか少年で、ええと」


バキッ!!


堀「ぐはッ」

村越「知ってるだろ。俺はカネと情報とロマンチックな台詞は即座に引き出せないとイラつくんだ」

堀「申しわけありません!」

村越「まあいい。今度の新入りはなんだか楽しそうじゃないか。番号が777なんてよ」

堀「村越さんが気にかけるほどの奴じゃないですよ。ただの雑魚ですよ」

村越「あ?じゃ、お前が今日中にぶちのめしてこい」

堀「そうですね。時代が時代だったらそういうこともありだったんじゃないかと思うと無念でしょうがないですね、個人的には」

村越「ん?」

堀「単純に社会が悪いという言葉ではすまされない部分も多少はありますし、本来の俺ならば村越さんに指摘される前にまっさきに新入りをボコボコにしてたと考えると、なんというか全ては運命のせいなんですが、ま、とにかく橋田にこの命令を伝えてきます!こんなことしてる場合じゃないですね。一刻の猶予もありませんし!」

村越「え?」

堀「行ってきます!タぁ!」

村越「え?」


ダッシュで去る堀


村越「あ、あの野郎なんだかすげー」


ダッシュする堀、激しく転ぶ


堀「うわっ!!」

田村「へへへへへ」

堀「痛っ、なにすんだい」

田村「よお堀。お前いつまで村越なんかの子分やってんだよ。ここの第三勢力って言われてるけど実際は誰もビビっちゃいねーんだぜ、あいつなんて」

堀「あ?てめーには関係ないだろ。つか逆だよ逆?」

田村「逆ってなんだよ」

堀「俺があいつに親分やらせてんだよ。お前、信長の野望やったことあるか?」

田村「なんの話だよ」

堀「俺は弱小の最上家でプレイして天下とってやるってんだよ。だから面白いんだよ」

田村「やっぱいろんな意味ですげーなお前って」

堀「それより橋田の野郎みなかったか?」

田村「橋田?え、お前知らないのか?」

堀「何をだよ」

田村「橋田、倒れたぜ」

堀「あ??」

田村「いやマジで」

堀「誰にやられたんだよ。おい、てめーとこの仕業か!」

田村「違げーよ。魔王がブルドッグズなんか相手にするかよ。過労だってよ」

堀「過労?少年院で過労?」

田村「なんか今月の売上げノルマ達成できなかったとかで、ずいぶん遅くまで働いてたみたいだからな」

堀「売上げってなんだよ」

田村「特別少年院タルトの売上げだよ」

堀「は??」

田村「先月から市場で売り出している特別少年院タルトだよ」


<少年院法 第4条2項>
少年院の長は、在院者を、前項の矯正教育に関係のない労働に従事させてはならない。


堀「その労働は矯正教育に関係ねーじゃん!つかネーミングと売上げの相互関係とかマーケティングの基礎を勉強しろ!誰が買うか!」

田村「お前の話は難しくてよく分からねーよ」




<作者コメント>
勢いで先へ先へ進んでいきます。とにかく立ち止まらないことを心がけます。絶対に100話まで書きたいと思います。

第2殴

第2殴 「校長の歌唱力」

‐体育館‐

校長独唱

いざ進め 祖国の子らよ
栄光の日は やって来た
我らに対し 暴君の
血塗られた軍旗は 掲げられた
血塗られた軍旗は 掲げられた
聞こえるか 戦場で
蠢いているのを 獰猛な兵士どもが
奴らはやってくる 汝らの元に
喉を掻ききるため 汝らの女子供の

武器を取れ 市民らよ
組織せよ 汝らの軍隊を
いざ進もう! いざ進もう!
汚れた血
我らの田畑を満たすまで



細野「な、なんだこの学校は」

森本「勇ましい」

教師「おい!そこ私語厳禁だぞ!」

教師「校長の美声を汚すつもりか!」

細野「く・・・」

森本「(俺、なんでこんな高校に入ったんだろう)」


校長独唱

Que veut cette horde d'esclaves,
De traîtres, de rois conjurés?
Pour qui ces ignobles entraves,
Ces fers dès longtemps préparés? Ces fers dès longtemps préparés?
Français, pour nous, ah! quel outrage
Quels transports il doit exciter!
C'est nous qu'on ose méditer
De rendre à l'antique esclavage!



細野「フ、フランス語で歌いはじめた!!」

森本「何だこの校長」


教師「Taisez!」

教師「Je vous ai battus!」


細野「教師もかよ」

森本「なんか気分悪くなった」


バンッ!


突然、謎の男が立ち上がり拳を高く掲げた。


謎の男「おいッ!!いい加減、下手糞な歌はやめろ!ダンッ!」


あろうことか自分が座っていた椅子をぶんぶん振り回し校長へ向かって放り投げた。



ダンッ!!!!!!!!


壁にぶちあたる椅子。


校長「・・・・・・・・・・・・」


静まり返る体育館。生徒数は全学年合わせて1112人。


教師「おい!なんてマネすんだ!」

教師「校長が固まってしまったじゃないか!」


細野「す、すげー」

森本「誰だあいつは」


校長「け、警察を呼べーー」


  • 少年院編へ続く

<作者コメント>
ども2度目の登場です。本居です。宣長です。第2話はなんというかいきなり混沌としています。独裁高校とそれに反抗する謎の男。でも椅子を放り投げるのは危険な行為ですね。僕は謎の男をあまり好きになれません。というわけで本日で長かった学園編は終了し、少年院編へ突入します。