第7殴
第7殴「祝賀会への招待」
宮越「おい今夜はてめーがブルドッグズに入った祝賀会をするぜ」
冨樫「ええ、でも自由時間とかありませんよね。就寝時間は教官の膝枕で寝なきゃいけないし」
宮越「ふ、お前は何も知らないんだな。この特少は文字通り特別なんだよ。」
冨樫「特別?」
宮越「嗚呼、ここの院長は俺たちを更正しようなんてこれっぽっちも考えてないのさ。あいつは一言で言えば狂人なのさ。そしてあの膝枕の教官はもっとクレージーだ」
冨樫「じゃぁ」
宮越「そう、ここでサバイブするにはこの拳ひとつに頼らざるをえない・・・って帰るな!」
冨樫「いや、なんかどうにもこうにも面倒くさそうな話だったんで。少なくとも30秒で終わりそうもなかったですし」
宮越「きっとお前みたいなやつが学級崩壊を引き起こしたんだろうな」
冨樫「また面倒くさそうな話のニオイがぷんぷん漂ってますね」
開脚前屈をする冨樫
すげー柔らかいなーという目でみる宮越
宮越「お前リーダーの話はな、たとえそれが原油価格の動向だったとしても黙って最後まで聞くもんだぞ」
冨樫「あ、それは興味津々です。投資マネーが原油市場に流れ込んでるんですよね」
宮越「あくまでもたとえ話だからな広げなくていいぞ」
冨樫「宮越さん。世の中をたとえてばかりいたら人生の本番がどこにあるか分かんなくなりますよ。入口見失いますよ」
宮越「なに言ってっかよく分からないな。俺、文学とか興味ないし」
冨樫「あ、確かに突き放された気がする」
宮越「なんだって?」
冨樫「あ、いや宮越さんには全然関係ない話です。えーとやっぱり車高が低い車好きですか?」
宮越「俺、鈍感だからさ、自分がバカにされてるのか普通の会話なのか分からねーんだ。でも今回は珍しく分かる気がする」
冨樫「ぬり絵は好きですか?」
宮越「ああ大好きさ」
いきなり手を合わせて祈る冨樫
宮越「お、お前何いきなり祈ってんだよ」
冨樫「気にしないでください。うちは戒律が厳しいんです。2時間ごとなんです」
宮越「でもなんか急に祈られるとやっぱ気になるし。宗派はなんだよ」
冨樫「そんな気にしないでくださいよ。そこまで本格的なもんじゃないですし。ただのエア祈りですから」
宮越「エア祈りってなんだよ」
冨樫「数珠なしですね」
宮越「エアつけなくていいじゃん。数珠なくても祈りはほぼ99パーセント達成できてるじゃん」
冨樫「いや数珠のほうが99パーセントですし、うちの宗派は」
宮越「仏教だよな?」
冨樫「ま、そうですね。正確には『元祖仏教』ですけど」
宮越「元祖はマズイだろ」
冨樫「うちはゴータマ・シッダールタすら認めない立場ですからね。あいつにパクられたという立場です」
宮越「お釈迦様のことあいつ呼ばわりする仏教徒に始めてあったよ」
冨樫「じゃ、とにかく今夜は祝賀会ですね。ケンタッキー食べたいですね」
宮越「ま、期待してるんだな」
冨樫「じゃ」
宮越「20時にBブロックの給水所のとこで待ってるからな」
冨樫「はい。気が変わったら行きます」
宮越「……」
冨樫「冗談ですよ。気が向いたら行きます」
宮越「来ないと殺すけどな」
立ち去る富樫
手を振る宮越。頼もしいメンバーがチームに入ってくれて本当に嬉しいのだ。たとえそれが何考えてるか分からない野郎でも。
続く
<作者コメント>
えーと仕事終わりにオフィスでビール飲みながら書いてます。とりあえず後で編集して何か面白いことつけたしておきます。